リクライニング車椅子とは?~特徴とメリット~
リクライニング車椅子とは、背もたれの角度を調整できる車椅子で、長時間の座位が必要な方や体圧分散が求められる方に適しています。主な利点として、姿勢の安定性向上、褥瘡(床ずれ)予防、リラックス効果があります。また、ティルト機能を備えたモデルでは、座面ごと角度を調整でき、より快適な姿勢保持が可能です。
介護者の負担軽減にも役立ち、在宅介護や医療施設で広く活用されています。
リクライニング車椅子を選ぶ際にチェックしたいこと
背もたれの角度調整範囲
リクライニング車椅子の一番の魅力でもある背もたれの角度調整。使用する方の体調や姿勢に合わせたサポートが可能で、90度からモデルによっては最大170度ほどまでリクライニングできるものもあります。
ほぼベッドのような姿勢でくつろぐことを可能にしてくれます。
クッション性と座り心地
快適性を左右するポイントのひとつである座り心地にもこだわった商品が多く存在します。
クッション性の高いシートや通気性の良い素材を採用したモデルもあり、長時間座っていても快適に過ごすことができます。特に、体圧を分散するクッションが備わっているタイプは、床ずれ防止にも役立ちます。
介助者向けの操作性
介助者にとって操作性も重要なポイントです。リクライニング機能は、レバーやハンドルで簡単に調整できる設計になっており、少ない力でスムーズに角度を変えられます。後輪にブレーキがついているタイプや、ハンドル部分に制御レバーがあるモデルもあり、介助者の負担を軽減しつつ、安全性を高める工夫が施されています。
自走式と介助式のリクライニング車椅子
前述のリクライニング車椅子チェック項目を踏まえながら、ここでは「自走式リクライニング車椅子」と「介助式リクライニング車椅子」の2種類について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
![]() 自走式リクライニング車椅子 | ![]() 介助式リクライニング車椅子 | |
特長 | ・大きな後輪がついており、使用者自身で操作できるの車椅子です。 | ・使用者が自走するのではなく、介助者が押して移動させる。 ・コンパクトな作りでありながら、リクライニング機能があるため、快適に過ごせる。 |
メリット | 1. 自分で移動できる 介助者がいなくても、自由に移動できるため、行動範囲が広がる。 2. 背もたれを調整して楽な姿勢をとれる 長時間の使用でも疲れにくく、姿勢を変えて快適に過ごせる。 3. 外出時の自由度が高い 公園やショッピングモールなどでも、自分のペースで移動できる。 | 1. コンパクトで持ち運びやすい 自走式に比べて軽量なものが多く、車への積み込みも比較的簡単。 2. 介助者が姿勢を調整しやすい 介助者がリクライニングの操作をすることで、使用者の負担を軽減できる。 3. 狭い場所でも扱いやすい 後輪が小さく、小回りが利くため、室内や狭い通路でも使いやすい。 |
デメリット | 1. 重くて大きいため持ち運びが大変 リクライニング機能がある分、通常の自走式車椅子よりも重量が増える。 2. 小回りが利きにくい 後輪が大きいため、狭い場所では操作が難しいことがある。 3. 価格が高め 通常の車椅子よりも機能が多いため、コストがかかることが多い。 | 1. 自分で移動できない 介助者がいないと移動が難しく、自由度が低い。 2. 長時間の使用では介助者の負担が増える 押して移動させるため、介助者に負担がかかることがある。 3. 地面の凹凸の影響を受けやすい 小さな後輪のため、段差やデコボコ道では振動が伝わりやすい。 |
価格帯 | 50,000円~250,000円 | 40,000円~200,000円 |
こんな方にオススメ | 長時間車椅子を使用しているが、外出時に自由に行動したい方や、ある程度の自立生活を維持したい方 | 自分で移動が難しく、寝たきりに近い状態で介助者の負担を減らしたい方 |
リクライニング車椅子は、使う人の快適さだけでなく、介助する方の負担も考えられた心強いパートナーです。背もたれの角度調整、クッション性、操作のしやすさ——これらが揃うことで、日々の生活がもっと快適で安心なものになります。
自走式は、使用者が自分で移動できる自由度の高さが魅力ですが、サイズや重量がデメリットになります。一方、介助式は、コンパクトで介助しやすい反面、使用者自身では移動ができません。
使用する環境や目的に合わせて、あなたに最適な車椅子選びを行いましょう。